マンションの購入を検討している人は、「一生の買い物」という表現を聞いたことがあると思います。
「長期間の住宅ローンを払い続けるほどの高額な買い物である」ということでもありますが、コンクリートなど耐久性の高い建材でつくられているということから、「耐用年数が50~60年はいくだろう」と思われていることも意味しています。
しかし、”一生”という言葉には要注意です!
一口にマンションといっても、現実は一生どころか「60年も住み続けられない」耐久性のマンションもあるのです。
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▼耐用年数
耐用年数は、物件の構造によって年数が定められています。
マンションは基本的に鉄筋コンクリートで作られているので、耐用年数は47年 となっています。
ではいくら頑張っても、47年で寿命がきてしまうのかと思うかもしれませんが、これは、あくまでも「法定耐用年数」のこと。
耐用年数は、法律で画一的に定められた減価償却の計算に用いる基準であり、「実際にマンションに住むことができる年数」という意味合いではありません!
以下の表も参考にしてみてください!
構造 | 耐用年数(住宅用) |
木造・合成樹脂造 | 22年 |
木骨モルタル造 | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 47年 |
レンガ造・石造・ブロック造 | 38年 |
ちなみに!
この【減価償却】という言葉、建物や備品など、固定資産を所有すると必ず聞く言葉になります。
減価償却とは、時間の経過とともに価値が薄れていく固定資産を費用として計上する会計処理の一つ。
簿記や会計の勉強をされた方なら一度は耳にしたことのある言葉ですし、個人事業主の方でしたら、期末決算時に目にしたことがあるのではないでしょうか。
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では、耐用年数=寿命ってこと?
と、思いがちですが、
「耐用年数」と「寿命」は別もの と考えていいでしょう。
マンションの寿命は、建築で使用されたコンクリートの質や、入居後の適切なメンテナンス、地震などの災害に遭ったことがあるかによって、マンションの寿命が変わります。
国土交通省が2013年に発表した資料によると、平均68年で取り壊されています。
しかし一方で、最長で100年以上の耐久性を備えているマンションもあります。
国土交通省の調査によれば、コンクリート造の建物の寿命は120年、リフォーム等の延命措置を行えば、最長で150年まで住み続けることができると分かっています。
マンションの平均寿命は68年と聞いて、「意外と短い」と思われますが、実際にはもっと長く住み続けられるマンションもあります。
老後まで住む計画ならば、できるだけ長く住めるマンションを選びたいですよね!
では、長く住めるマンションを見極めるポイントを4つご紹介します!
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point①
1981年以降のマンションであること
新耐震基準が設定された
1981年以降に建てられたマンションを選ぶこと
旧耐震基準のマンションがすべて耐震性に問題があるというわけではありませんが、それ以前に建てられた建物は、震度6~7の揺れで倒壊する恐れがあります。
旧耐震基準のマンションが耐震診断を受けて、耐震改修工事を行うには多額の工事費用がかかります。
大規模地震が起き倒壊や破損が生じるリスクも高くなるため、マンションを選ぶときにはできるだけ新耐震基準で建築されたマンションを選ぶようにしましょう。
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日々の清掃やメンテナンスなどの
管理体制が行き届いているマンションを選ぶことです。
清掃やメンテナンスを丁寧に行うことで、不具合に早く気づき、小さな修繕で済むようになります。
反対に、管理を怠っていると、ヒビ割れや雨漏りなどの不具合を見落としてしまい、建物の劣化を早めてしまう可能性も・・・。
管理体制をチェックするためには、共用部分を見てみるとよいでしょう。
エントランスや駐輪場、共用廊下などの清掃が行き届いているか、整理整頓されているかどうかをチェックすることで、マンション全体の管理体制を見極めることが可能です。
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修繕積立金が不足していないことです。
修繕積立金が不足していると、十分な修繕をおこなうことができず、マンションの寿命が短くなってしまいます。
修繕積立金が計画的に貯められているか、長期修繕計画はしっかり立てられているかチェックしておきたいポイントです。
マンションの収支状況は公開していないので、不動産仲介会社経由で確認してもらいましょう。
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point④
設備配管類は、破損や不具合があったりすると建物全体に悪い影響を与えます。
設備配管類の耐用年数は25~30年。
そこで、寿命がきたタイミングで容易に交換ができれば問題ないのですが、これがコンクリートに埋まっている場合は交換ができず、マンションそのものも取り壊しになってしまうケースも・・・。
結果的に、建物としての寿命はまだ先なのに、設備配管類の耐用年数が原因で、想定していたよりも早く建物の限界がきてしまいます。
ですから、日常的な点検や整備が重要です。
つまり、寿命の長いマンションの条件の1つに、設備配管類の維持管理がしやすい構造になっていることが挙げられます。
ただ、マンション購入時に、設備配管類のメンテナンスがしやすいかどうかを確認することはなかなか難しいかもしれません。
それを簡単にチェックするポイントが、住宅性能表示制度 です。
これはマンションがどれほどの耐用年数があるのかということを、専門知識がなくてもわかるような表示をする仕組みで、大手デベロッパーの販売するマンションではほとんど採用されています。
この住宅性能表示制度で注目すべきは、「劣化対策等級」です。
これは1~3等級のなかで、どれくらいで寿命がくる、耐用年数が期待できるのかという目安を示しています。
・等級3……おおむね3世代(75~90年)
・等級2……おおむね2世代(50~60年)
・等級1……建築基準法に定められた対策がなされている(最低基準)
法律に基づいた客観的に評価される制度なため、住宅性能評価書がついた物件は、良質・安心な物件といえるでしょう。
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これはあくまでも、日常のメンテナンスがある程度行われること、通常の自然条件が続くことを前提とした目安に過ぎず、マンションの寿命を保障するというものでもありません。
ただ、寿命の長いマンションを購入したいという人にとっては、耐用年数も判断基準の一つとして参考にしてみてはいかがでしょうか!
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